CHARTER SHOPPING CENTER HARBIN
計画から3年を経た2010年11月、CHARTER SHOPPINNG CENTER 哈尔滨店はグランドオープンを迎えることとなりました。
哈尔滨市は中国東北地方、黒竜江省の省都で人口はなんと980万人。大阪以上、東京に迫る大都会でありながら、遠くカムチャッカまで達する大河松花江の中流域にある、冬の平均気温−18.6℃という極寒の地なのです。また、街並みには歴史的にロシアの影響が色濃く残ることから東洋のモスクワという異名を持つことで知られています。
先入観では片田舎の大きな町が想像されますが、 現在では市内のいたるところで高層ビルが立ち並び、街中クルマと人であふれています。そしてどこを見ても大型クレーンと巨大開発の槌音が響く、ちょうど日本人の感覚では東京オリンピック前の大躍進時代が連想される昨今の状況です。
クライアントは吉林省長春に本店&本社を置く中国の上場企業が運営する超高級ショッピングセンター。まだ創業10年余りの若い企業ですが、その躍進ぶりには目をみはるものがあります。改革開放〜経済自由化によって生まれたいわゆる『新富裕層』にターゲットを絞り、3年前には東北地方最大の都市瀋陽に2号店を出店、この哈尔滨にも3番目の店舗をオープンさせ、内外の高級ブランドを中心に500ものテナントを誘致するというのです。 まさに破竹の勢いと言ってい良いでしょう。
計画地は都心部からはやや距離を置くロードサイド型の商業地域で、多くの大型店が軒を並べるエリアです。市内は日本のように地下鉄などの公共交通が発達していないので、車での移動が前提となります。また市内最大の高級住宅街からのアプローチも良く、ショッピングセンターとしては絶好の立地と言えるでしょう。
建物はフランス系大手GSMの開発計画が途中で頓挫し、工事が中断されていた延床面積18万㎡の建築躯体を買収し、高級ショッピングセンターとしてリビルドするという計画です。
私たちに求められたものは、 様式にとらわれない自由な発想で、この企業にふさわしいグレード感を持つ最上質な商業空間を創出すること。
そして、デザイン、サービスともに世界でもトップクラスと言われる日本の百貨店のクオリティーをこの中国最北端の大都市に取り入れるということ。 そしてそれらの要素はすべての外装デザイン、各フロア業種構成、各フロアインテリアデザインと直営店のデザインに高質のエッセンスとして散りばめられたのです。
この施設がまさに新しい中国を象徴するように、欧米にも引けを取らないデザインと設備を備え、そして最上質のサービスで末永く顧客を魅了し続けて行けるよう、私たちは最上級のデザインでサポートして行きたいと考えています。
6F 生活雑貨、レストランフロア、
5F 子供服、子供用品、エステ、美容、
4F レディースファッション、文化センター、各種教室
3F インターナショナルブランド、レディースファッション
2F インターナショナルブランド、メンズファッション
1F インターナショナルブランド、コスメティックワールド
B1F スーパーマーケット、駐車場(450台)
哈尔滨で数店舗のヘアーサロンを展開するZOMIは、市内で最も人気の高いサロンのひとつです。新進気鋭のヘアスタイリストが運営するこのサロンは、既に市内にいくつかの店舗を展開しており、新しい感性と行届いたサービスを売りに、急速に売上を伸ばしているヘアーサロンです。
新しくオープンするこの新店舗では、ロケーション上、より多くの富裕層の来店が見込まれるため、従来店よりもインテリアや設備にいたるまでハイグレードなサロンにしたいとのこと。
東京の青山や原宿のサロンのような素晴らしいお店にしたいので、ぜひ日本のデザイナーに設計を依頼したいという事から、私たちがデザインすることとなりました。
イメージとしては、シンプルで品格があり、清潔なインテリアを希望とのこと。
位置付けとしては、市内ではグレードの高いサロンとなるため、VIP用の個室を2室、ウェイティングスペースも広くとれるようレイアウトされています。
デザイン的には、ホワイト基調のシンプル&スパークリーンなイメージを持たせ、なおかつチープな印象とならないよう、さまざまな配慮を加え、品格を保つよう計画されています。照明はワークスペース以外の照明をやや抑え、メリハリのあるライティングとすることで、立体的でグレード感のある空間となるよう計画されています。物販スペースや通路では鮮やかな間接光とCDMの純白な光で、カットスペースでは巨大な面照明とミラーに埋込みのソフトな光で、それぞれの構成がなされています。
まさに新しい中国を象徴するように、欧米にも引けを取らないインテリアと設備を備え、最新のテクニックとサービスで顧客を魅了して行けるようなサロンとして、そして名実ともに哈尔滨市で最上級のサロンへと成長して行くことを、私たちは心から願っています。
CHARTER SHOPPING CENTER を運営する企業のカンパニーカフェテリアです。
本来は日々の業務の合間や昼休み等に利用していただく社員食堂ですが、ここでも従業員の方々の意識改革を促す目的で、デザイン性豊かなインテリア環境を提案しています。
従業員の方々にとってランチタイムは楽しい時間でなければなりません。特にこのS.C.では従業員の90%が女性です。家族や恋人の話をしたり、ファッションやレジャーの計画など、同僚たちと自由に会話ができ、くつろぐことができる唯一のスペースでもあるわけです。
そうした社内のリラクゼーション環境の充実こそが、仕事に対するモチベーションや能率の向上につながるという考え方です。殺伐とした餌場のような食堂では、勤労意欲も湧いて来ないですよね。
天井のリング状の間接光とカラフルな色使いの壁面グラフィックによって爽快なイメージを持てるよう演出しています。また、エリアごとに異なる壁や椅子のカラーバリエーションを用意し、いつ来ても新鮮な印象を受けるようにコーディネイトされています。
レイアウトとしては最低でも400席以上の席数を設けてほしいという要望でした。2000人もの従業員が交代で休憩をとるので、人の流れを想定したレイアウトや広い通路も必要となります。
福利厚生施設にもインテリア環境の充実を図り、健全な社員を育成する事によって接客やサービスの向上につなげて行こうという考え方は、この企業にとって新しい試みとなったようです。